空集合について

集合論をスタートする上で、何もない状態では議論の進めようがないので、

少なくとも一つの集合の存在を仮定する必要があります。

それが、要素を全く持たない集合「空集合」です。

 

(定義)

「集合Aの要素がaである事」を a∈A と書きます。

 

(定義)

「いかなる要素も持たない集合」を「空集合」と呼び、 φ と書きます。

具体的に書くと、「全ての要素xについて、x∈φでない」となります。

 

論理記号を用いると、

∀x  ¬ (x∈φ)

といった表記になります。(慣れないと少しわかりにくいかもしれません。)

(後々、Texを使って数式表記を変更するかも。しないかも。)

 

今回は、要素を持たない集合である「空集合」の説明を行いました。

ここからは、空集合の性質や、一般的な集合の性質を考察していきたいと思います。

 

※「集合」や「要素」といった表現をしましたが、公理論的集合論の立場では、

これらは全て「集合」として扱います。

(議論を進めるうちに少しずつ理解されると思いますが、集合と要素を区別する理由がないからです。ただ、通常の数学を議論する上では、分かりやすさと便利さがあるため、このような表現を覚えておいたほうが良いと思います。)